上毛三山、そして日本百名山の一つにも数えられる赤城山。関東平野の北側、群馬県のほぼ中央に位置しており、群馬県で吹く強い風の事を”赤城おろし”と言い、上毛かるたの『す』としてもお馴染で、その事からか同じ百名山でも『尾瀬の至仏山』や『川場の武尊山』、その他『皇海山』『巻機山』等々は知らないけれど、でも赤城山は知っていると言う県民は多く、正に群馬県が誇る名峰。残念なことに??高崎市内の山ではありませんが、高崎からも良く見えると言う事で、紹介しないわけにはいかないであろうと考えましたので記事化致しました。
因みに”赤城山”と言う単独峰は実の所、存在はしておらず、最高峰の『黒檜山』を初め、『鍋割山』『荒山』『長七郎山』『地蔵岳』『鈴ヶ岳』と言った代表的な峰々の総称を赤城山と言います。個人的に全て登っており、それぞれに魅力がありましたので、一つ一つご紹介させて頂きます。
最初にご紹介するのは『地蔵岳』です。上の写真は長七郎山の登山道より撮影。
関東平野側から見るとほぼ中央に視認でき、テレビ塔もある事から、赤城山において最も目立つ峰で、シンボルであると言っても過言ではないでしょう。この山の魅力は『気軽に赤城山からの展望を楽しめる』と言う点でしょう。頂上までの登山道がほぼ一本道で、木道と階段が整備されている事から非常に登りやすく、30分程で踏破可能。例えるならばふら~っと出かけた先の神社がタマタマ階段が多かったと言う感じです。
とは言え、標高は1600mクラスで赤城の中では、黒檜山と駒ケ岳に次ぐ高さを誇っており、その他の峰々が1300から1500mクラスと考えると、少し突き抜けております、その為頂上からの景色は抜群に良好。頂上も広々としていますので、混んでいても狭苦しさを感じず、そのような点も魅力の一つですね。
次は『鍋割山』です。上の写真は荒山高原周辺で撮影。
赤城の峰の中では標高1300mと比較的低めですが、解放感あふれる尾根を登山道としていて、清々しい気持ちで登れる点が魅力的。南方に位置している事から、関東平野を良く望む事ができ、高崎や前橋は勿論、天気が良ければその先の新宿のビル群やスカイツリー、富士山まで目視する事が可能となっています。赤城山の中では人気も高く、登山されている方も多いです。
次は『長七郎山』です。上の写真は地蔵岳の登山道より撮影。
こちらは赤城山の中では南面に位置しており、その為『鍋割山』と似たような眺望をしていますが、異なる点は東側と言う事で、日光や桐生方面の山々を間近で眺める事ができました。特に『皇海山』の全容は感動ものです。コースも登山と言うよりはハイキングみたいな感じで、道は広く整備され、危険な箇所は皆無。小沼を周回する形となるので、常にそれが視界に入り、清々しい気持ちで歩くことができます。
次は『荒山』です。上の写真は鍋割山の登山道より撮影。
山の名に゛荒゛と言う文字が入るだけあって、一部岩場がありますが、とは言え本当に一部だけなので、全体的にはハイキング気分で登れます。特に登る過程においての景色は素晴らしく解放感に溢れ、赤城でこのような所があるのかと驚かされました。ただ、頂上が樹林となっている為、景色がほぼ無いのは少々残念。過程を楽しむ山なのでしょう。誰かが仰っていましたが『頂上からの眺めが決して良いとは限らない』このような人生訓を改めて山から教わった気がしました。鍋割山とセットで登られることが多いとの事です。
次は『鈴ヶ岳』です。上の写真は鈴ヶ岳の登山道より撮影。
山名の通り巨大な鈴の様な形をしていて非常に特徴的。高崎市街からも良く視認できる山で外輪山の外側にある事から赤城山頂カルデラの全容を望むことができます。山頂直下によじ登るような岩場が控えていて、赤城の中では若干厳しいです。その上、荒山と同様に山頂は樹林帯で眺望がなく、山頂の景色を楽しみたいと言う方には不向きかもしれません。逆に静かに山と向き合いたいと言う方には好適です。
最後に『黒檜山』です。上の写真は黒檜山登山道より撮影。
標高は1828m、ここが赤城山の最高峰。赤城登山と言えばここの山頂を目指す方が多いそうです。隣の駒ケ岳とセットで登るのがポピュラーで解放感あふれる尾根を歩くことができ、時期にはよってはツツジを楽しむ事も出来ます。山頂の先に展望スペースがありそこからの景色は一見の価値ありです。
鈴ヶ岳登山道の途中より白樺牧場と黒檜山を望む。左側の白くなっている山が黒檜山です。標高が高いからか黒檜山だけ雪が積もっているなんてことが良くあります。
赤城山も関東平野側から見ると整った山容をしていますが、見る角度によっては、THE火山で巨大なクレーターを思わせます。例えるならば月面世界の様です。
また、赤城山はその裾野の長さから、かつては2000m級の高峰だったという話がありますが、活発な火山活動の結果、現在の形になったとの事、本当だとしたら赤城の真の姿を見てみたいですね。
因みに現在も活火山指定を受けていて、噴火する可能性はゼロではありませんので、登山へ出掛ける際は情報は収集してからでお願いします。